ウクライナ全領土の武力奪還困難
【キーウ共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は1日、首都キーウ(キエフ)で共同通信と単独会見した。ロシアが2014年に併合したクリミア半島を含む一部の占領地について、武力での奪還が困難だと率直に認め、外交で全領土回復を目指す必要があると述べた。全領土奪還を掲げ抗戦を続けてきたが、欧米の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)加盟が確約され、ロシアの侵略を抑止する環境が整えば、一部領土は戦闘終結後に交渉で取り戻すことを容認する方針に転換した。
東部でロシア軍が前進し、戦況は極めて厳しいとの認識を表明。「わが軍はクリミアなどの一部領土を奪い返す力が欠けている。これは真実だ。外交解決を探らなければならない」と語った。
同時に「ロシアが新たな侵略を仕掛けられないほどウクライナが強くなった時に初めて、外交的手段を考えることができる」と強調した。
ウクライナの安全保障のためNATO早期加盟の道筋を付けることが重要だと強調。NATOに代わる枠組みは「存在しない」と述べ、加盟交渉入りを強く求めた。