知床観光船沈没で社長逮捕、海保

 桂田精一容疑者を乗せ、網走海上保安署を出る車=18日午後、北海道網走市
 桂田精一容疑者を乗せ、網走海上保安署を出る車=18日午後、北海道網走市
 運航会社の桂田精一社長
 運航会社の桂田精一社長
 北海道・斜里町、観光船沈没現場、知床岬、カシュニの滝、ウトロ港
 北海道・斜里町、観光船沈没現場、知床岬、カシュニの滝、ウトロ港
 2022年5月、海面上までつり上げられた観光船「KAZU 1」=北海道斜里町沖
 2022年5月、海面上までつり上げられた観光船「KAZU 1」=北海道斜里町沖
 北海道・知床沖で22年4月、観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没し20人が死亡、6人が行方不明となった事故で、第1管区海上保安本部(小樽)は18日、安全確保義務を怠り不明者も含め計26人を死なせたとして、業務上過失致死と業務上過失往来危険の疑いで運航会社「知床遊覧船」の社長桂田精一容疑者(61)=斜里町=を逮捕した。

 1管は、逮捕に踏み切った理由を「証拠隠滅の可能性が排除しきれないと判断した」と説明。発生から約2年5カ月後となったことについては「気象データの分析など証拠を丹念に積み重ねる必要があった」とした。

 沈没の原因は、気象が悪化して船体が繰り返し揺られ、かぶった波が船首付近のハッチから船内に入り、機関室などが海水で満たされたことだとした。

 逮捕容疑は22年4月23日、運航管理者として出港を見合わせたり、航行継続を中止したりするなど安全を確保する義務を怠り、カズワンを沈没させて乗客乗員を死亡させた疑い。行方不明となっている6人について、1管は「生存の可能性はないと判断した」とした。