Free従業員全員で「最後のご奉仕を」 八戸・三春屋で閉店セール始まる
4月10日で閉店する八戸市十三日町の三春屋で10日、閉店セールが始まった。初日は常連の買い物客らが詰め掛け、半世紀以上にわたって親しまれた老舗百貨店の突然の閉店を惜しみつつ、買い物を楽しんだ。
午前10時の開店を前に約20人の買い物客が正面入り口に列を作り、同店を運営する「やまき三春屋」の土谷与志晴社長らが出迎えた。土谷社長によると、婦人服を中心に2~7割引きの商品を用意。今ある在庫のほか、閉店セール用にお買い得な商品も取りそろえたという。
常連客からは閉店を残念がる声が多く聞かれた。何十年も三春屋の地下食品売り場を利用しているという同市の主婦(72)は「品ぞろえや鮮度がほかのスーパーとは違っていたのでよく使っていた。なくなるのは本当に寂しい」、別の同市の主婦(65)は「リニューアルを楽しみにしていたので閉店は驚いた。バスの待合所として三春屋(の風除室)を使っていたのでこれからどうなるのか。ますます街に活気がなくなる」と悲しげな表情を浮かべた。
土谷社長は閉店に至ったことを、じくじたる思い―とした上で「52年間にわたる長い間のご愛顧に感謝申し上げる。この1カ月間は従業員全員で最後のご奉仕をしたい」と述べた。
営業時間は午前10時~午後6時半。