Free「お客さんに会いたい」新拠点で再出発 元老舗カフェ店員の奥山さん(十和田)

コーヒーを入れる奥山薫さん=写真上=と、1月から営業している「ピーチタイム」
コーヒーを入れる奥山薫さん=写真上=と、1月から営業している「ピーチタイム」

十和田市西二番町にある、丸太とガラス造りの外観が目を引く元事務所建物が、カフェに生まれ変わった。店主は同市の老舗喫茶店のスタッフだった奥山薫さん(53)。喫茶店は両親が経営していたが、新型コロナウイルスの影響で閉店した。閉店後、しばらくすると、カフェの仕事が性に合っていたとの思いが湧き上がった。心引かれる物件にも出合い、そこで新たに出発することを決めた。1月にオープンしたカフェの店名は「ピーチタイム」。お客さんとの触れ合いに、やりがいをかみ締めている。

 両親の喫茶店は市中心商店街に立地し、約50年にわたり親しまれた「カフェ・イフ」。布のフィルターを使ったネルドリップのコーヒー、ナポリタン、パフェが人気だった。しかし、新型コロナで先行きが不透明になったことから、昨年3月に閉店した。

 奥山さん自身、カフェの仕事は20年以上携わってきた。閉店から数カ月もたつと、「『また』という思いが強くなった。お客さんに会いたくなった」。自分の店を構える決心が固まった。

 新たな拠点は、築8年の木造2階建て。丸太の柱の間の大きなガラスから、中が垣間見える独創的な造りで、2020年秋まで企業の事務所として使われていた。当時もカフェと勘違いして来る人がいたという建物を、縁あって借りられることになった。

 ピーチタイムでは、長年愛されたイフのメニューを引き継いでおり、閉店を惜しんでいた元々の常連は昔からの変わらぬ味を楽しんでいる。また、建物への興味から訪れる新規の来店客も多い。

 家にいるような、くつろげる空間にしたいという。「『入ってみたい』と思わせる建物にも助けられている。今後に不安がないわけではないが、店に対する愛着は日に日に膨らみ、改めて好きな仕事だと感じている」

 ピーチタイムの営業は午前11時半~午後5時。駐車場は2~4台分。不定休。電話=090(3599)2384=。

 
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