八戸税関支署は２８日、八戸港など管内の２０２１年貿易概況（速報値）を発表した。輸出入を合わせた貿易額は２５６７億６７９３万円で前年確定値と比べて７・５％増。新型コロナウイルスの影響を受けた２０年よりやや回復した格好だが、輸出額は船舶類の動きが鈍いことなどが響いて、１千億円を割り込んだ前年よりもさらに落ち込んだ。

　２１年に実績があったのは八戸、久慈、むつ小川原の３港で、輸出額が２９・６％減の７０１億５２１２万円。輸入額は３４・０％増の１８６６億１５８１万円だった。

　輸出額を品目別に見ると、鉄鋼が４４・２％と最も多く、船舶類が１８・１％、半導体製造装置などの一般機械が１３・２％、紙及び板紙が８・３％を占めた。国・地域別では中国が４０・０％でトップとなり、台湾１７・５％、パナマ１１・６％などと続いた。八戸港の輸出額で大きなウエートを占める船舶類が３隻にとどまったことで全体額が下振れした。

　一方、輸入額の品目別は、飼料用などに活用するトウモロコシが１７・５％と最多。植物性油かす１０・０％、ニッケル鉱９・９％などと続いた。国・地域別では米国が２２・１％と最も多く、オーストラリア２０・８％、中国１１・３％などが上位に入った。

　実入りコンテナ（２０フィート換算）通関本数は輸出が前年比９５９本減の９７６３本、輸入は１４２０本増の１万５９１４本だった。

　同支署は同日、昨年１２月の貿易概況も発表。実績があったのは八戸港と久慈港で、輸出入を合わせた貿易額は前年同期比２４・５％増の２５１億６９００万円だった。

　２１年実績と２２年以降の貿易見通しについて同支署は「新型コロナの影響を受けた２０年よりは持ち直したが、（変異株などの）懸念材料もある」と指摘。今後については八戸市内の造船会社では受注が好調であることも踏まえ、管内企業の動向を注視する考えを示した。

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