Free【貨物船座礁】重油抜き取りへ船体固定に着手
八戸港沖でパナマ船籍の貨物船「クリムゾン ポラリス」(3万9910トン)が座礁した事故で、船の管理会社などは21日、二つに割れた船体の船首側にある燃料タンクに残る重油の抜き取りに向け、船体を固定させる作業を実施した。順調に進めば、抜き取りは23日にも始まる見通し。
船内には座礁時に約1550トンの重油が残り、うち船尾側にあるタンクが破損し、最大282トンが流出した可能性がある。
船首側にある二つのタンクには1207トンが入っており、船を管理する美須賀海運(愛媛県)は早急に抜き取りを開始し、9月末までの作業完了を目指している。
同社によると、21日は船体の傾斜を水平に整え、船首側に新たないかりを付ける作業を実施した。同日午後にはサルベージ会社の油抜き取り作業母船とタグボートが到着。船体の固定が完了すれば、重油の抜き取り作業に着手する。
第2管区海上保安本部(塩釜)によると、現場海域では同日も油の流出が確認された時間帯があった。
同日正午ごろには船首側から北西に長さ約1・5キロ、幅約20メートルの薄い油膜を確認。一方、午後3時ごろは船体付近に浮遊する油は見られなかった。
取材に対し、管理会社は「燃料タンクに接続しているパイプ4本を木栓と水中セメントで閉鎖している」と説明。「(薄い油膜は)既に流出し、船体に付着している油の一部とみられる。タンクからの新たな流出ではない」との見方を示した。
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