Free農作物の鳥獣被害5781万円、過去2番目低さ/青森県内20年度

野生鳥獣による青森県内の農作物被害
野生鳥獣による青森県内の農作物被害

青森県が29日までに発表した2020年度の野生鳥獣による農作物の被害状況(速報値)によると、県全体の被害額は5781万円(前年度比9%減)、被害面積は25・15ヘクタール(7%増)だった。被害額は現行調査となった07年度以降、最低となった18年度の5649万円に次いで少なかった。津軽地方でツキノワグマの食害が減ったことなどが要因。一方、三八地域の被害額は2776万円(6%増)と増加。ハクビシンやイノシシなど新たな動物の食害がみられ、ツキノワグマの食害も増加した。

 鳥獣別の被害金額は、カラス1817万円(3%減)、ツキノワグマ1078万円(38%減)、ニホンザル975万円(9%減)の順で多かった。ツキノワグマは餌のブナの実が20年度は並作で、大凶作の19年度と比べ、餌を取るために農地へ出没する頻度が低下したとみられる。

 地域別で見ると、最多の三八に次いで中南1722万円(32%減)、西北900万円(増減なし)。県南では、上北90万円(321%増)、下北133万円(36%減)だった。

 三八地域では、八戸市でハクビシンのイチゴ食害や、田子町でイノシシによる水田被害が初めて確認された。ハクビシンの県全体の被害額は338万円だが、ほぼ同地域が占めた。ツキノワグマの食害は312万円(215%増)。過去5年で最多となったが、理由ははっきりしないという。

 県は本年度、新規対策として、鳥獣被害の専門知識を有するアドバイザーの派遣を始めた。県食の安全・安心推進課の荒関雅彦課長は「野生動物の生態や行動を踏まえ、餌場をつくらないことはもちろん、地域ぐるみで被害防止に取り組むことが重要」と述べた。

 
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