Free赤沼で樹木の無断伐採判明 法令違反、環境省が情報収集
十和田八幡平国立公園の南八甲田エリアにある赤沼で、ブナなど十数本が無断で伐採されていたことが19日、分かった。一帯は景観を守る必要がある国立公園の第1種特別地域で、無許可での樹木の伐採が規制されている。十和田八幡平国立公園管理事務所は法令違反に当たるとして、山岳団体などに目撃者などの情報提供を呼び掛けている。再発防止に向け、同管理事務所と三八上北森林管理署は今後、現地にカメラや看板を設置する方針。
15日に無断伐採を見つけた十和田市の自然保護団体「八甲田・十和田を愛する会」の久末正明代表によると、現場は赤沼を一望できる場所で、ブナやナナカマド、アオダモなどがナタやのこぎりで切られたり折られたりしていた。このうち、1本は樹齢100年を超えるとみられる高さ約6メートルのブナで、直径約16センチの根元が伐採されていた。
管理事務所の担当者は13日に現場を確認しており、カメラ撮影者が写真に写り込むのを邪魔に思い、伐採した可能性を指摘する。今後については「まずは情報収集に努め、法令違反をした人を特定できるか次第だ」と話した。
森林管理署は19日までに、無断伐採が禁止されている旨の札を現地に張り出した。今後は自動撮影カメラも設置する。管理事務所は今秋にも、赤沼に通じる入り口3カ所に法令遵守を呼び掛ける看板を設置するとした。
久末代表は「明らかな違法行為で、今後も伐採される可能性がある。行政は告発する姿勢で対処しなければ、エスカレートする一方だ」と訴え、毅然(きぜん)とした対応を求めた。
管理事務所は「被疑者不詳での告発は選択肢としてゼロではない。森林管理署と連携し、現場で抑止効果を高めるための対策を講じていく」とした。
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