Free【月刊Dash】副主将の自覚胸に/ブレイズFW大宮良
監督、主将が変わり、新たなホームリンクで迎えた今季のブレイズ。入団7季目を迎えた副主将を務めるFW大宮良(29)にとっても、変化のシーズンとなった。新型コロナウイルス感染症の影響で、国内チームのみで戦っているリーグ戦も残り2試合。今季限りでの引退を表明した前主将・田中豪と共に戦う最終節へ「とにかく、勝つことに集中する」と気合十分だ。
(18日に発行の月刊Dash3月号から記事をセレクトしてお届けします)
■ブレイズ合宿参加が契機
競技の本場・北海道苫小牧市で生まれ、競技者だった父の影響で、小学2年時から自然と競技に取り組むようになった。王子イーグルスのジュニアチームでプレーし、「小さい頃からプロ選手を見て、自分もなりたいと憧れた」。
高校は、さらなる成長を目指して、親元を離れて埼玉栄高へ進学。大学は関西大に進んだ。「やっぱり関東リーグの注目度の方が高かった。プロになるのは難しいかも」と不安になることもあった。
ただ、大学2年時にブレイズの合宿に参加した経験が契機となった。当時の若林クリス監督と話し、「プロチームに入るため、また頑張ろうと思えた」。関大も全体的にレベルアップし、3年時には大学として初めて日本学生氷上競技選手権で準優勝。ブレイズからも声が掛かり、2014年に念願のアジアリーガーとなった。
ブレイズ入団後は、チームの日本代表クラスの選手に刺激を受けながら競技と向き合ってきた。「ベテラン、若手を問わず、みんなが徹底してやり抜くチーム。その中で、2度のリーグ制覇や、17年には全日本選手権の優勝を経験できた」
苦しい思いも経験した。昨季はチームワーストの4勝32敗で最下位となった。「どうして勝てないのか、試合をするたびにみんなが考えていた。開幕18連敗後にやっと勝てた試合は、今でも忘れられない」
■負け越しにも手応え
監督、主将、ホームリンクと取り巻く環境がガラリと変わった今季、チームはここまで8勝12敗と負け越してはいるが、手応えも感じている。
「(チーム全体で)得点するためにチャレンジするプレーが増えた」ためだ。
フラット八戸で迎えた今季開幕戦で、昨季全敗だった王子イーグルスを相手に劇的白星。八戸開催だった全日本選手権でも、準決勝で王子に再び土をつけた。選手たちは強豪相手でも、ファンに強い印象を与えるような試合運びを見せてくれている。「自分も含め、みんな『自分がやらないといけない』と思って試合に臨んでいる」と話す。
■副主将になって意識も変化
副主将を任されて意識も変わった。
「誰よりも(競技に)取り組むつもりでいないといけない。人里(茂樹主将)がプレーで引っ張っている分、自分は言いづらいことも回りに言っている」という。
18日現在で2得点2アシスト。自身の成績には「納得できていない。もっと得点するためにシュートも工夫が必要」と省みる。一方で「チームがうまく機能し、勝つことが一番大切」と言い切る。
残り試合はわずか。「今季限りで引退する(田中)豪さんのため、応援してくれるファンのためにも、勝利にこだわって戦い抜く」と闘志を燃やす。
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