Free声量を可視化、飲食店の「黙食」後押し 青森のIT企業製品化へ
新型コロナウイルス感染拡大の要因とされる会食時の飛まつを抑制しようと、青森市のIT企業フォルテ(葛西純代表)は、会話の音量を可視化する黙食サポート音圧検知システム「静御膳(しずかごぜん)」の開発を進めている。自粛ムードの広がりで飲食店が苦境にある中、安心できる会食環境を提供することで来店を促し、経済活動を後押ししたい考えだ。
システムは、感染リスクの高い飲食店での飛まつ感染防止策として注目されている、会話を控えた会食「黙食」に着目した。卓上に機器を設置し、飛まつの量や距離を左右する息の強さ「呼気圧」をマイクで検知。声が小さければ緑、少し大きいと黄、大きければ赤と3段階の光で注意喚起することで、会話の量や音を意識した食事を促す。
さらに、店舗入り口には同社が開発した体表温度検知機「ミデラ」に、二酸化炭素濃度の測定機能を追加した機器を設置。来店者の体温測定と室内の換気状況の把握が可能で、飲食店の感染防止策として売り出したい考えだ。
10日は青森市の飲食店「海坊厨(うみぼうず)」で実証実験を行い、来店客3人が機器を設置したテーブルで会食。光の点滅に注意しながら、声量を調整するなどして食事を楽しんだ。葛西代表は「騒がしい利用者に注意しづらい現状がある。自発的に声量に注意してもらうことで感染防止を図り、飲食店へ足を運ぶ人が増えればうれしい」と述べた。
実験は継続して行い、千葉県木更津市など県外でも実施予定。今後、製品化に向けクラウドファンディングで資金調達する方針。