Free“とある壁”の写真でカレンダー 帆風美術館が販売 写真と文は高橋寛子さん(八戸)
八戸市北インター工業団地にある帆風美術館が、同市柏崎地区の“とある壁”をモチーフにした、一風変わったカレンダーを販売している。写真と文を手掛けたのは、同市鮫町のえんぶり和紙人形作家高橋寛子さん(75)。2年半通うほど、この壁に魅了されており、「撮るほどに別の表情を見せる。切り取り方で変わる面白さを、カレンダーを通じて味わってほしい」と語る。
同館の評議員を務める高橋さんは、友の会誌「風」にもエッセーや写真を寄せており、スタッフも壁の写真を気に入って、10月発行の最新号の表紙にも使われた。2021年のカレンダーは壁の写真14枚を使って制作することになり、「画と文章、こまがびしっと決まった」(同館)という自信作が完成。友の会会員への配布だけでなく、一般向けに販売することを決めた。
「屹立(きつりつ)の嶺(みね)」と名付けたカレンダーの表紙は、白く塗装された壁とむき出しでぼろぼろの壁の境目をアップで捉えた一枚。高橋さんと親交のあった、同市の造形家伊藤二子(つぎこ)さん(故人)がペインティングナイフで描いた「非具象」作品を思わせる迫力がある。ミステリアスで、八戸ではない異郷を思わせる雰囲気も漂う。
価格は税込み800円。23日午後2時からは同館のインスタグラムでトークイベントを配信予定。八戸ブックセンターでも、帆風美術館のコーナーを設けて1月末まで販売している。