Free豊作とコロナで野菜低価格 八戸市内、夏場の高値一転
八戸市の小売店で、キャベツや白菜など、葉物を中心とした野菜が低価格で推移している。天候に恵まれ、全国的な豊作傾向に加え、新型コロナウイルスによる飲食業界の冷え込みにより、荷動きが鈍くなっているためだ。日照不足で高値基調だった夏場から一転した格好で、市場関係者からは「10年に一度の安値」との声も聞こえる。
白菜1玉100円、キャベツ128円―。14日、同市旭ケ丘1丁目の生鮮食品スーパー「やまはる」の店頭では、青々とした野菜に「特価」の値札が付けられていた。例年であれば2分の1カットや4分の1カットの値段。常連客の女性(77)は「今年はずいぶん安い。冬は鍋物や漬物などでたくさん食べるから助かるわ」とほほ笑んだ。
店側は、新型コロナ禍で迎える年末年始に向け、今後の価格動向に気をもむ。中野信子副会長は「『今年は子どもが帰省しないから何もしない』というお客さんの声も聞くので、当分は動きが鈍いのでは」と、低価格が続くとの見通しを示す。
全国平均の小売価格をまとめた農林水産省の食品価格動向調査(11月30日~12月2日)によると、1キロ当たりの価格はキャベツが119円(平年比46%減)、白菜は120円(47%減)レタス310円(50%減)など、大幅な安価だ。
八戸市中央卸売市場の卸売会社・八戸中央青果によると、青森県産の出荷はほぼ終わり、現在は茨城県など関東方面からの入荷が大半を占める。白菜は平年の5分の1ほどの市場価格だった日もあるといい、担当者は「新型コロナの影響は深刻。箱代や輸送代を考えればただ働きのような状態で、農家にとっては厳しい冬になったのでは」と語った。