Free黒にんにく 製造過程で特定成分増 付加価値向上の可能性/弘大院教授らのグループ
ニンニクを使った健康食品「黒にんにく」の製造過程で、抗酸化作用のあるポリフェノールと、はちみつに含まれる特定の成分が顕著に増加することが、弘前大大学院保健学研究科の中川公一教授らの研究で明らかになった。増加した特定の成分は健康面での効果が期待されており、分析が進めば、商品の付加価値をさらに高められる可能性がある。
研究は、中川教授と弘前大農学生命学部の前多隼人准教授、県産業技術センター農産物加工研究所の山谷祥史研究員らのグループによるもので、10月に海外の学術誌「モレキュールズ」に成果が掲載された。
中川教授らは、ニンニクが黒にんにくへと熟成する際に起きる「メイラード反応」の過程を解析。ポリフェノールやはちみつなどに含まれ、食品の風味向上にも使われる「5―HMF」という物質が特に増加することを突き止めた。
5―HMFの機能性は詳しく分かっていないが、血圧を下げ、メタボ予防につながる効果があるとの研究もあるという。
今回の成果は7日、八戸プラザホテルで開かれた、青森県黒にんにく協会(柏崎進一理事長)の講演会で紹介された。会員ら約20人と共に耳を傾けた柏崎理事長は、「黒にんにくの研究者が増えることはありがたい。科学的裏付けを大切にし、商品作りに生かしたい」とさらに研究が進むことを期待した。
講演会では、世界黒にんにくサミットに合わせて、高校生から募集した黒にんにく料理を使った弁当も参加者に配られた。