Free酒米原料 ジン、ウオッカ製造へ/酒造会社「南部美人」(二戸)
二戸市の酒造会社「南部美人」(久慈浩介社長)は、酒米を原料とするジンとウオッカの製造に乗り出す。ジンの香り成分には同市特産の浄法寺漆を使用し、ウオッカは久慈市の白樺活性炭を使って製造する。これらの商品化を通じて、同社は岩手県北地方の振興にもつなげたい考えだ。
久慈社長らが6日、盛岡市内で会見を開き、概要を発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う会食や旅行の自粛で、日本酒の需要が減少。今年の酒米の一部が余り、行き場のない状況にあった。そこで、同社は4月から製造している消毒用アルコールと同じ仕組みや免許で製造できる、ジンとウオッカの原料として活用することにした。
ジンは浄法寺漆の樹皮から香り成分を抽出し、みずみずしい味わいを目指す。ウオッカは久慈の平庭高原の白樺活性炭で雑味をきれいに取り除き、仕上げる方針。来年1月ごろから製造に着手し、販売開始は3月ごろを予定している。
久慈社長は会見で「漆も炭も、県北地方を主産地とする日本一の伝統産業。県北振興につながると確信している」と力を込めた。
会見には藤原淳二戸市長や遠藤譲一久慈市長らも同席。藤原市長は「世界で売れる新たな商品づくりへの挑戦を応援している」、遠藤市長は「市としても生産を全面的に支援したい」と話した。