Freeシャインマスカット初収穫 品質向上、生産者も増加/五戸
五戸町の生産者らでつくる「南部地方シャインマスカットの会」(手倉森一会長)が、設立から10年目の収穫シーズンを迎えた。青果卸売会社・八戸中央青果(八戸市)と農家がタッグを組んで産地化に取り組み、会員数と生産量は年々増加。人気が高く高単価で取引されており、関係者は「まだまだ伸びる余地がある」と意欲を見せている。
初収穫の30日、同町倉石地区の夢の森ハイランド跡地にある中央青果の試験ほ場では、たわわに実ったシャインマスカットが、鮮やかなエメラルドグリーンの輝きを放っていた。会員は、重量感のある実を丁寧に摘み取り、約100房を重量別に箱詰めした。
同会が発足したのは2011年。地域の特産となる作物を探していた手倉森会長がシャインマスカットに着目し、中央青果の横町芳隆社長に相談したことがきっかけとなり、同社から苗木の提供を受けて契約栽培がスタートした。
会員数は発足時の20人から47人に増加し、提供を受けた苗木は計600本に上る。19年は約6トンを出荷し、今年は前年を上回る出荷量を見込んでいる。
初めてブドウを栽培する会員も多いが、手倉森会長は「設備さえ整えれば作業負担は重くない。高齢者でも栽培でき、10アール当たり200万円の収入も夢ではない」と魅力を強調した。
同社の丸谷泰男果実統括本部長は「技術力が上がり、主産地の山梨県にも負けない品質のものができてきた。販売に一層力を入れ、産地を応援したい」と期待を込めた。