Free八戸観光を仮想体験 VISITと日本航空がリモート旅企画へ
新型コロナウイルスの影響で旅行の自粛が続く中、八戸圏域版DMO(観光地域づくり推進法人)「VISIT(ビジット)はちのへ」は12日、日本航空との連携事業で「リモートトリップ」を開催する。参加者はオンラインで東京―三沢のフライトを仮想体験し、リモート形式で八戸市内の観光スポットを巡る仕組み。南部せんべいや地酒などの地場産品が事前に届き、“旅行中”に味わえるのも特徴だ。同法人は新型コロナに対応した企画を通し、八戸圏域の認知度向上や特産品の販路拡大を目指す。
日本航空は今年7月、島根県・隠岐諸島の海士町を巡るリモートトリップを初開催。第2弾の旅先が八戸となり、同法人との連携で企画を立ち上げた。今回は約30人が参加する予定だ。
参加者には事前に、サバ缶や地酒、リンゴジュースなどを詰め合わせた地場産品セット(3種類の中から選択)のほか、日本航空が機内のドリンクサービスで使用する紙コップや旅のしおりなどが届けられる。
当日はオンラインでつながり、パイロットや客室乗務員と交流しながらデジタルフライトを体験。その後は市内の蕪嶋神社、八戸酒造、八食センターを巡る約2時間の行程となる。
観光ツアーはライブ配信が中心で、地元ガイドが登場。参加者は事前に届くおみくじを蕪嶋神社で開け、八戸酒造では「陸奥八仙」ブランドの酒蔵限定商品を味わう。地酒と一緒に、南部せんべいにサバを乗せたグルメも食べ、地元の“ディープ”な食文化に触れる。
リモートトリップは仮想体験でも臨場感のある旅を提供するのが特徴。同法人は八戸圏域の知名度アップを図り、観光客減の影響を受ける特産品の販売促進にもつなげたい考えだ。
八戸せんべい汁研究所の所長としてガイド役を務める予定の木村聡・物産振興課長は「コロナ禍の今でも観光や物産の魅力を発信できる企画。感染収束後には実際に来てもらえるよう、リモートトリップの可能性を模索したい」と話した。