Freeアライグマ捕獲相次ぐ 上十三で生息域拡大/農業被害懸念
十和田市などで今年、特定外来生物に指定されているアライグマの捕獲が相次いでいる。8月31日までに、同市で12頭、おいらせ町で13頭を捕獲。アライグマは繁殖力が強く、農作物などへの被害が懸念されているが、上十三地域でも生息域の拡大が進んでいる。
青森県内では、津軽地方でアライグマの被害が報告されてきたが、県南地方でもこの数年、生息が確認されるようになっていた。
県によると、上北地域県民局管内の捕獲件数は、2018年までゼロだったが、19年に初めておいらせ町で7頭あった。
今年、同市で捕獲されたのは、伝法寺地区の1カ所の畑。市が7月16日にわなを設置したところ、同18日~8月26日の間に、多い日で1日3頭捕まった。
畑を所有する農家によると、スイカなどの食害があったほか、ハウスや網が破られたり、苗代(なわしろ)の上を走り回った形跡も見つかった。
農家は「タヌキの仕業と思っていたが。15年ほど前から食害があり、当時からアライグマがいたのかもしれない」と話した。
この畑では、31日もトウモロコシの茎が倒され、周辺にはアライグマのものとみられる足跡があった。
市農林畜産課は、わなによる地道な捕獲を続ける考えで、担当者は「1カ所で12匹も捕まるとは。どの程度、繁殖しているのか分からない」と警戒し、市民に被害があった場合の情報提供を呼び掛けている。