天鐘(6月8日)

〈世の中に思ひやれども子を恋(こ)ふる思ひにまさる思ひなきか な〉。平安時代の歌人・紀貫之が『土佐日記』の中にしたためる一首である。この世でわが子を恋い慕う気持ちに勝るもはない、と▼三つ並んだ「思ひ」に親心がにじむ。どれほど多くの「思ひ」を.....
お気に入り登録