Free八戸・蕪島物産販売施設「かぶーにゃ」オープン
八戸市が鮫町の蕪島近くに建設後、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開業を延期していた蕪島物産販売施設「かぶーにゃ」が11日、オープンした。地元の団体や事業者が立ち上げた「鮫蕪島物産販売合同会社」が運営し、八戸を中心とした青森県内の特産品や土産品、軽食などを販売する。当面は感染予防対策に努めつつ、コロナ禍が落ち着いた後の観光誘客や地域活性化を目指す。初日は開業を待ち望んでいた地元住民らが訪れ、鮫地区のにぎわい創出に期待を寄せた。
かぶーにゃは4月17日にオープン予定だったが、緊急事態宣言の発令を受けて開業を延期。開設者の市や運営会社は感染防止策を徹底した上で、県が不要不急の外出自粛要請を緩和した現状などを踏まえ、11日の“再出発”を決定した。
建物は木造平屋で、延べ床面積は255平方メートル。地元の特産品、銘菓、水産加工品をはじめ、蕪島やウミネコにちなんだ土産品なども取りそろえている。鮫地区の生産者が持ち寄った新鮮な野菜も販売する。
感染予防の観点から、飲食スペースは座席の間隔を空け、スルメだしの串こんにゃくや「浜のせんべい汁」などを提供する。施設の営業時間は午前10時~午後5時、冬季は同4時まで。
買い物に訪れた同市鮫町下松苗場の女性(78)は「地元ならではの商品があって良かった。コロナが落ち着いたら観光客も増えてほしい。地域が盛り上がってくれれば」と話した。
今年2月末には蕪嶋神社の新社殿が再建しており、感染終息後は鮫地区の活性化が期待される。同合同会社の杉本健一代表は「当面は県内客に向けた品ぞろえにして、ゆくゆくは観光客に喜ばれる施設にしたい。気持ちも新たに頑張っていく」と意欲を示した。
かぶーにゃの開設は、東日本大震災からの復興に向け、市が2011年度に着手した「蕪島エントランス整備事業」の一環。これで一連の事業は完了となる。