Free中心街の「花小路」整備完了 回遊性向上を期待/八戸

八戸市三日町と六日町の中間に位置し、みろく横丁と交差する「花小路」の整備が終了し、16日に現地で完成式が行われた。通行のさまたげになっていた段差を解消し、融雪装置付きのスロープを設置するなど利便性が大きく向上。八日町方面から十三日町方面に通り抜けられる花小路が快適な歩行空間として整備され、中心街の回遊性が高まることが期待される。一方、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、中心街の飲食店では営業の休止や自粛ムードが広がっており、関係者は一刻も早い終息と人通りの回復を願っている。
 中心街の街区を巡っては、大型ビルの建設が相次いだ1960年代後半から整備の機運が高まり、83年に現在の花小路街区が形成された。その後、歩行空間の整備に向けて2005年に地権者が検討会を設置したが、目立った前進は見られなかった。
 大きく動き出したのは16年。三日町と六日町にまたがる旧レック・旧マルマツのビルが解体され、六日町側に複合ビル「ガーデンテラス」が建設されたことに伴い、花小路の一部不通区間が解消。全長約180メートルが“全面開通”となった。
 これを受け、快適な歩行空間の整備に向け、同年には地権者らが「花小路周辺地区まちづくり協議会」(岩岡徳衛会長)を設立。市や第三セクター「まちづくり八戸」、八戸工業大などと共同で事業を進め、19年11月に着工し、今年3月に完成した。
 整備区間は約130メートル。段差の解消のほか、手すりやスロープを設置してバリアフリーに対応し、花壇も設けて景観にも配慮した。総工費は3846万円。国と市の補助金を活用し、地権者の負担は524万円となった。
 式では、中心街関係者らがテープカットで完工を祝った。岩岡会長は地権者や工事関係者に謝意を示した上で「新型ウイルスの終息のめどが立たないのは残念だが、花小路をさまざまなイベントの場としても使ってもらい、にぎわいのある場所にしていきたい」と話した。

 
お気に入り登録