Free【新型コロナ】就活にも影響、合同説明会軒並み中止に 学生からは切実な声
2021年卒業予定の大学生・大学院生が就職活動を本格化させる中、新型コロナウイルスの感染拡大が“就活事情”に影響を及ぼしている。1日に新卒採用の会社説明会が解禁されたが、八戸市内の大学などでは、今月上旬に開催予定だった学内の合同説明会が軒並み中止に。学生にウェブセミナーの活用を促すなど対策を講じているが、従来とは異なる状況に、学生からは「多くの企業から話を聞けないのは不安」との切実な声も漏れる。
3月4日に開催予定だった説明会を取りやめた八戸学院大。県内企業を中心に40社が参加予定だったが、やむなく中止を決めた。
近年は就職の相談に訪れる学生は減少傾向にあったが、今年はウイルスの拡大が顕著になってから相談件数が増加。例年の就職活動では、学生が合同説明会の機会を活用して企業側と接触した後、個別の採用試験などに臨むケースが多かったため、スケジュール管理などで戸惑う学生もいるという。
同大では、学生にインターネットを活用したウェブセミナーへの参加や積極的な情報収集を呼び掛けている。キャリア支援課の担当者は取材に「学生にも心配はあると思う。全力で頑張ってもらえるようサポートしたい」と強調した。
他大学なども同様に説明会の実施を見送っている。八戸工業大は3月10日から4日間の日程で行う予定だった合同就職説明会の中止を決定。八戸高専も毎年恒例の企業内容説明会の開催を断念した。
八戸工業大就職課の担当者は「学生から『企業研究はどうしたら良いか』との相談も寄せられている。企業などと情報共有しながら、支援やケアを講じていきたい」とした。
従来とは勝手が違う就職活動に、学生側の不安も募る。八戸学院大3年の女子学生(21)は「合同説明会に数多く参加する予定だったが、中止になっている以上、個別の説明会を訪ねるしかない。さまざまな企業から話を聞けないのは不安だし、ウェブだと熱意をうまく伝えられないのではないか」と困惑した様子。
県外企業への就職を希望する八戸工業大3年の男子学生(21)は「ウェブを使うことで手間は省けるが、当初想定していた就活の形が急に変わってきたので戸惑いはある」と話した。