Free韓国、尹大統領を罷免 憲法裁、戒厳令巡り

 韓国の尹錫悦大統領(ロイター=共同)
 韓国の尹錫悦大統領(ロイター=共同)

【ソウル共同】韓国の憲法裁判所は4日、昨年12月の「非常戒厳」宣言を巡り弾劾訴追された尹錫悦(ユンソンニョル)大統領(64)を罷免する決定を言い渡した。尹氏は即時失職した。60日以内に大統領選が行われる。6月3日投開票が有力視されている。尹氏は約2年の任期を残して退場するが、戒厳令を巡って世論や与野党の対立は深まった。大統領選を通じてさらに激化する可能性もあり、社会の混乱が収拾に向かうかどうかは不透明だ。

 大統領の罷免は2017年の朴槿恵(パククネ)氏に続き2例目。日韓関係改善を主導した尹氏の罷免により、両国関係への影響が懸念される。次期大統領候補では、革新系最大野党「共に民主党」の李在明(イジェミョン)代表が世論調査で優勢だが、選挙戦の行方は予断を許さない。

 尹氏は昨年12月3日夜、野党が「国政や司法をまひさせている」として戒厳令を宣言した。戒厳司令部は政治活動の禁止や言論統制などを布告し、軍が国会に突入した。国会は法的要件を満たさず戒厳令を発動したなどとして同月14日に尹氏の弾劾訴追案を可決した。

 弾劾審判では裁判官8人が審理した。戒厳令や政治活動禁止の違法性、国会に軍を投入した目的などが主な争点だった。尹氏側は「大統領の統治行為だった」として棄却や却下を求めていた。

 尹氏は戒厳令を巡る内乱首謀罪にも問われ、4月14日に初公判が開かれる。尹氏は検事総長出身で、22年5月に大統領に就任した。本来の任期は27年5月までだった。

 
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