Free遺品の蔵書活用、浄法寺の魅力発信へ 二戸市と瀬戸内寂聴師を偲ぶ会が連携協定

まちづくりに関する協定を締結した山本均会長(左)と藤原淳市長
二戸市名誉市民で天台寺名誉住職である故瀬戸内寂聴さんの蔵書約1万冊などの遺品を、昨年11月に市へ寄贈した「瀬戸内寂聴師を偲(しの)ぶ会」は18日、市とまちづくりに関する連携協定を締結した。蔵書活用などで協力しながら、浄法寺地区の魅力発信に努める。
偲ぶ会は、旧浄法寺町長で寂聴さんを同寺に招いた山本均さん(76)=仙台市=が会長を務める。寂聴さんが2021年に99歳で死去後、信頼の厚かった山本さんは遺族から遺品の扱いを一任された。その後の尽力により、蔵書約1万冊と漆器や陶器、書棚など100点余りが市へ寄贈され、浄法寺地区の旧太田小体育館で保管されてきた。
協定は28年に同寺が開山1300年の節目を迎えるのを前に、寂聴さんの残した遺品を生かし、地域活性化に連携して取り組む目的で締結した。蔵書の具体的な活用法は未定だが、市は寺周辺で常時閲覧できる場所を開設できないかも含め、今後検討を進める。
この日は山本会長や、副会長で同地区在住の田口俊夫さん(76)らが二戸市役所を訪れた。藤原淳市長と共に協定書に署名した山本会長は、「周辺地域との交流など、さまざまな機会に寂聴さんの本を役立ててもらい、市や天台寺が発展するよう願う」とあいさつ。
藤原市長は「寂聴先生が復興に力を尽くした天台寺などの観光資源を全国に発信し、まちづくりを進めるために今後も協力したい」と述べた。