Free【みちのく生き物観察記】マガン

水の残る水田で落ち穂を食べるマガンの群れ=2月、三沢市
水の残る水田で落ち穂を食べるマガンの群れ=2月、三沢市

マガンは全長が70センチほどで、褐色の大型のカモの仲間。腹には黒い横斑があり、くちばしはだいだい色でその基部から額にかけて白い。ロシア極東部のツンドラ地帯から北海道や東北地方に冬鳥として集団で飛来し越冬する。秋にV字型の編隊を組み飛来する姿は人々に親しまれていて、歌川広重の浮世絵「月に雁(かり)」や外ケ浜地方に伝わる雁(がん)風呂伝説などが有名だ。

 一時、狩猟によりその数を減らし国の天然記念物に指定され保護されたが、現在では日本への飛来数は20万羽ほどと推定され、宮城県の伊豆沼や秋田県八郎潟が有名。青森県でも三沢市や十和田市の郊外の水の残った水田では、落ち穂を懸命に食べるマガンの群れを見かける。3月中旬から4月にかけての北への長距離の渡りに備えているようだ。

 
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