Free「学びの多様化学校」設置検討 むつ市、不登校の児童生徒支援 県内初
むつ市の山本知也市長は12日、不登校の児童生徒の実態に合わせた柔軟な教育を提供する学校「学びの多様化学校」(不登校特例校)の設置を検討する方針を示した。設置されれば青森県内で初めてとなる。今後、準備委員会を立ち上げ、具体的内容を検討する。
学びの多様化学校は、文部科学省が指定する学校で全国に35校ある。東北地方では宮城県にある3校のみ。不登校の児童生徒支援の一つとして、国は2027年までに全都道府県への設置を目指している。
授業時間を少なくしたり、体験活動を充実したりするなど独自の教育課程が設定でき、ゆったりした登下校時間などが特徴。学校教育法施行規則に基づいて設置されるため、一般の学校と同様に卒業資格を得ることができる。
市教委によると、不登校の児童生徒は21年度79人、22年度96人、23年度148人と増加傾向にある。支援策としてこれまで、インターネット上の仮想空間「メタバース」での教育機会の提供や、学校復帰を支援する市教育支援センターの充実などに取り組んできた。
さらなる支援に向けて23年度から2年間、全国の学びの多様化学校を視察し、検討を重ねてきた。現時点で小中一貫型の設置を見込み、教育内容や設置場所などは今後検討するという。
12日、市役所で開かれた市総合教育会議で設置の方針が示され、了承された。山本市長は「課題は多いと思うが、子どもたちの学ぶ場の拡充に向け、教育委員会と共に県内初の設置へ取り組んでいきたい」と述べた。