Free【chou chou3月号 Pickup】ココロとカラダ整える ヨガとピラティス

気が付くと暦上では春を迎え、草花の芽吹きとともに新たな生活をスタートする時期がやってきます。穏やかな陽気や新生活ムードに心が躍る一方で、気候や生活環境が変化するこの時期は疲れやストレスを感じやすい季節でもあるのです。

 そんな時こそ、自分の体と向き合う時間が大切です。皆さんはヨガやピラティスを体験したことはありますか?どちらも一大ブームとなり、試したことはなくとも名前を聞いたことはあるのではないでしょうか。

 八戸市でインストラクターをしている島守尚子さんは「少しでも自分の体に目を向けてほしい」と話します。私たちは日々の忙しさの中で、つい自分のことは後回しにしがちかもしれません。

 今回の特集では島守さんにヨガやピラティスの基本、自宅でできる簡単なエクササイズを教えてもらいました。一番身近な自分の心と体が健康であるために、この春、一歩踏み出してみませんか。

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ヨガ

【似ているようで違う ヨガとピラティス】
 ヨガとピラティスはどちらも呼吸を大切にしながら体を動かしていきますが、そもそもの成り立ちや目的などに違いがあります。それぞれの特徴を見て、自分に合ったエクササイズを探してみましょう。

 ◆ヨガ 
 【精神の修行法 4500年の歴史】
 紀元前2500年頃のインダス文明にルーツがあり、精神の修行の一つとして用いられたとされています。現代では美容や健康を目的としたヨガが増え、気軽に楽しめるように。呼吸と瞑想、ポーズを組み合わせて心と体を結び付け、心身のバランスを整えることを重視します。

 【腹式呼吸】
 近代のヨガでは主に腹式呼吸が取り入れられています。意識を呼吸に集中させ、深くゆっくりと呼吸をして副交感神経を優位にさせることで、リラックス効果が得られます。

 【ゆっくり動いてポーズをキープ】
 体をストレッチするような動きをし、深い呼吸をしながらポーズを深めることで関節の可動域を広げて筋肉の柔軟性を高めていきます。ストレッチ効果を得るとともに、腹式呼吸で副交感神経を活発化させるため、リラックスやストレス解消の効果も期待できます。

 【こんな人にお薦め】
・メンタル安定
・ストレス解消
・リラックス効果を得たい
・手軽に運動してみたい
・ストレスを抱えていて、体と一緒に心のバランスも 整えたい
・ダイエットしたい

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ピラティス

◆ピラティス 
 【リハビリとして発展】
 サーカス芸人でボクサーでもあったドイツ人のジョセフ・ピラティスが自身の虚弱体質改善のため、さまざまな治療法やスポーツをヒントに考えたのが始まりです。

 後にイギリスで捕虜になった際に、仲間の兵士が寝たままでもリハビリができるように器具を使ったエクササイズを考案しました。

 【胸式呼吸】
 あばら骨を膨らませるように深く呼吸します。胸式呼吸は交感神経を優位にする働きがあるため、脳が活発化されて筋肉も活動的な状態となり、集中力が高まります。

 【骨や筋肉のポジションを整える】
 背骨や関節の流動性を高めるエクササイズを中心に行います。動きの質や骨、筋肉の正しいポジションを重視します。マットの上で行う「マットピラティス」とマシンを使用する「マシンピラティス」の二つの方法があります。

 【こんな人にお薦め】
・身体機能を上げたい
・体のゆがみを整えたい
・体に痛みがある
・ダイエットしたい
・体の正しい使い方を知りたい
・姿勢を改善したい
・スポーツをしている

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 島守尚子さんにヨガとピラティスの基本的な動きを教えてもらいました。呼吸を意識して取り組んでみてください。
かんぬきのポーズ

◆ヨガ初級
 【かんぬきのポーズ】
 床にひざまずき、片方の脚を横へ伸ばして足を床に置く。

 床に着いている膝ともう一方の足の土踏まずは同じライン上にあるように気を付ける。

 肩は少し後ろに引くような感覚で、腕を横に伸ばす。

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ワシのポーズ

◆ヨガ中級
 【ワシのポーズ】
 両脚をそろえて膝を曲げ、片方の脚をもう一方の脚の太ももの上にのせる。

 左右の肘を重ねて両肘を曲げ、手の甲を合わせる。お尻を後ろに引き、片方の脚の膝下をもう一方に絡ませる。

 足でマットを踏み込み、息を吸いながら肘を上げ、目線は指先に。

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聖者ヴィシュヴァーミトラのポーズ

◆ヨガ上級
 【聖者ヴィシュヴァーミトラのポーズ】
 体幹とバランス感覚を鍛え、お腹や下半身をストレッチするポーズ。

 難しい場合は、床に着いた方の脚の膝を床に着けて練習してみましょう。

 骨格などで個人差はあるが、定期的に続けても習得に2年以上はかかる超上級ポーズ。

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シザース

◆ピラティス初級
 【シザース】
 あおむけになり、骨盤が正しい位置(※ニュートラルポジション)にあることを確認する。

 次に、片脚ずつ交互に空中へ持ち上げる。この時、骨盤のニュートラルポジションは保ったまま無理のない範囲で脚を上げる。

 両手は届く範囲で脚に触れる。脚のむくみ改善や下腹部の引き締め効果がある。

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サイドプランク

◆ピラティス中級
 【サイドプランク】
 横向きに寝て、下になった方の手を伸ばして肩の真下に置く。

 脚を伸ばし、腕と足で床を押して腰を持ち上げる。

 上の手は腰に当てるか、余裕があれば天井方向に伸ばす。

 目線は正面を向き、この状態で、できれば10秒ほどキープする。

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ダブルストレートレッグストレッチ

◆ピラティス上級
 【ダブルストレートレッグストレッチ】
 腰が反らない位置まで両膝を伸ばし、つま先は斜め遠くに伸ばすイメージ。

 呼吸に合わせて両足を下ろして元の位置に戻す動作を繰り返す。脚の高さは腰が反らない位置で行い、腰と床の隙間をなくすように意識する。

 肩の力が入りやすく、あごが上がりやすいので注意する。

 ※骨盤のニュートラルポジション
 骨盤の左右に出っ張っている二つの骨(上前腸骨棘)=じょうぜんちょうこつきょく=と恥骨を結ぶ三角形が同じ平面上にあり、立っている時は床に対して垂直、寝ている時は平行な状態のこと。あおむけに寝ている時は、一般的に腰と床の間に手のひら一枚が入るくらいの隙間がある。

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【自宅でメンテナンス】
 少しずつ体をメンテナンスしてみようと思ったものの、忙しくてレッスンに通う時間がない人は、まずは自宅でできることから始めてみましょう。島守さんに簡単なエクササイズやストレッチを教えてもらいました。

【ウエスト引き締め】
 あおむけになって両手はこめかみあたりに当てる。両脚を上げ、対角の肘と膝をくっつけるイメージで上体を丸めながら体をひねる。

 腰回りの筋肉は日常生活であまり使わず、脂肪がつきやすい場所。ウエストが引き締まっていることでメリハリのある体に近づく。

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【姿勢改善】
 うつぶせの状態になる。手と足のつま先を伸ばし、両肩の高さと左右の腰の高さが変わらないように腕と脚を上げ下げする。

 脚は付け根から上げるイメージで行う。

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【ヒップアップ】
 あおむけに寝転がり、膝を立てて両手は床に置く。ゆっくりとお尻を持ち上げ、肩・足裏で体を支えるようにする。

 片方の脚を天井に向かって伸ばしながらお尻を高い位置まで上げたらゆっくりと下ろす。腰は反らさずにお腹の力が抜けないように注意する。

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【肩こり解消】
 あぐらの姿勢になり、鼻から息を吸って吐く息に合わせてゆっくりと体を横に倒す。

 伸ばしている腕の体側や脇が気持ち良く伸びていくのを感じる。肩の力は抜き、脇の下から天井を見上げるイメージで行う。

 ※本紙生活情報誌シュシュ3月号の特集記事をウェブ用に再編集しました。

 
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