Free尾駮ニシン漁始まる 地元で親しまれる冬の味覚/六ケ所

ニシンがかかった網を引き上げる橋本兼蔵さん=3日午前6時半ごろ、六ケ所村
六ケ所村の尾駮沼は海水と淡水が混ざり合う汽水湖。産卵のために回遊してくるニシンは「尾駮ニシン」として、地元で親しまれている。尾駮沼生産組合の組合員による漁期は毎年3月1~15日で、今は漁の真っ最中だ。
3日も午前6時ごろの日の出に合わせて、小型船数艘(すうそう)が沼の船だまりから出漁した。
この日は曇りで、出漁時の気温は氷点下1・5度。肌寒い天候の中、橋本兼蔵さん(87)も船を出して、仕掛けた刺し網を回収。船上に網を引き上げると、体長約30センチのニシンが次々と姿を見せた。40~50匹を水揚げし、橋本さんは「まあまあでしょう」と納得の様子だった。あと数日漁を続けるという。
ニシンは12月ごろから尾駮沼に遡上(そじょう)し産卵。4月ごろに海に下る。近年は漁獲量が減少している。漁獲したニシンは、ほとんどが地元で消費される。