Free「はれわたり」特A維持 「霹靂」返り咲きならず/食味ランキング

日本穀物検定協会が28日発表した2024年産米の食味ランキングで、全国デビュー2年目の青森県の「はれわたり」は、前年産に続き最高評価の「特A」を獲得した。主力品種の「まっしぐら」はランクを一つ上げ「A」となった。一方、県産ブランド米の「青天の霹靂(へきれき)」は2年連続のAで、特A返り咲きはならなかった。
調査対象は全国143銘柄(前年産比1銘柄減)で、複数産地のコシヒカリを基準に、外観や香り、味、粘りなど6項目を比較して審査した。特Aから「Bダッシュ」の5段階でランク付けした。
はれわたりは、参考品種の22年産を含め3年連続の特A。県農産園芸課によると、暑さに強い特性が発揮され、粘りの強い食味も高評価につながった。
まっしぐらは評価を上げた。協会は「生産者が高温対策に真剣に取り組んだことが向上につながった」と要因を挙げた。
好評価はブランド価値を高めるだけに、農家も関心を寄せる。八戸市尻内町で、はれわたりとまっしぐらを生産する上村隆雄さん(72)は「記録的高温 だった23年の猛暑の影響を踏まえ、追肥などを工夫した」と生産に手応え。
「今の消費者が求めているのは安く購入できること。食味だけでなく、量の確保も求められている」とさらなる技術向上を目指す。
特A返り咲きとはならなかった青天の霹靂は、耐寒性に優れた品種で、近年の高温傾向が生産に影響しているとみられる。協会によると、米粒が白く濁る障害「白未熟粒(しろみじゅくりゅう)」などが見られたという。
同日、県庁で会見をした宮下宗一郎知事は「特A奪還に向けた分析も含め、25年産も生産者と一丸となって良食味のコメを生産できるようにしっかりと取り組む」と話した。
岩手県は「銀河のしずく」(県中)が特A、「ひとめぼれ」(県中、県南)と「あきたこまち」(県中)はいずれもAだった。
全国では特Aが39銘柄(前年産比4銘柄減)、Aが76銘柄(2銘柄減)、「Aダッシュ」が28銘柄(5銘柄増)で、B以下はなかった。