Free作曲の舞台案内 二戸の魅力より深く 音楽家猿楽さん、初のモニターツアー

作曲の舞台となった二戸市の風景を映像で紹介しながら演奏する猿楽さん
作曲の舞台となった二戸市の風景を映像で紹介しながら演奏する猿楽さん

二戸市の音楽家の猿楽さん(47)は22、23日、市内の風景や文化を音楽で表現する「旅音プロジェクト」の一環で、作曲の舞台となった場所を自ら案内する「にのへの旅音モニターツアー」を初めて行った。参加者は美しい風景などの映像を交えた猿楽さんのピアノライブや、観光名所の見学を通じ、音と共に二戸の奥深い魅力を満喫した。

 岩手県北、青森県や首都圏から14人が参加した。22日は浄法寺地区の温泉施設「天台の湯」に宿泊し、リラックスした雰囲気の会場でライブを楽しんだ。

 猿楽さんは「天台寺」「奥南部漆物語」「金田一温泉物語」の組曲を含め、約20曲を電子ピアノで披露。作曲のために訪れた馬仙峡や折爪岳の山頂、稲庭高原などの豊かな自然や、四季の移ろい、浄法寺塗の製造作業の映像を、スクリーンで紹介しながら演奏した。

 現地に足を運び、五感で捉えたものを曲にした猿楽さん。映像には、「穏やかな時間」「心が満たされていく」といったイメージを文字で表示し、音と風景が調和する世界を表現した。

 23日は天台寺の境内を散策後、滴生舎(てきせいしゃ)で浄法寺塗について学び、市中心部の南部美人の酒蔵を見学。参加者は猿楽さんと共に巡りながら、特色ある地域文化への理解を深めた。

 十和田市の太田厚子さん(74)は「生演奏にとても感動した。音楽と一緒に二戸の名所に触れることで、深く印象に残った」と喜んだ。東京都の戸澤扶佐子さん(57)は、「美しい風景の映像と音楽がマッチし、心が癒やされた。また二戸を旅したい」と話した。

 猿楽さんは、「ツアーは初の試みだったが、音楽と自然を愛する気持ちをお客さんと共有できた」と感慨深げ。今後は旅行の継続的な商品化を目指す考えで、「二戸から北東北に活動の幅を広げ、音楽を通じ地域の魅力を発信したい」と意欲を見せた。

 
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