Free【八戸えんぶり】一斉摺り、念願の親子共演

十一日町えんぶり組では、今井俊明さん(左)と長男明絆さん(右)の親子が力強い摺りを披露した=17日、八戸市中心街
十一日町えんぶり組では、今井俊明さん(左)と長男明絆さん(右)の親子が力強い摺りを披露した=17日、八戸市中心街

各組が躍動した八戸市中心街での一斉摺(ず)り。十一日町えんぶり組(同市)では、太夫の今井俊明さん(41)を柱に一家5人で伝統芸能を継承する。祖父、父もえんぶりに携わってきたという今井さん。「えんぶりを楽しみ、伝える一員として関わり続けたい」と意欲を新たにした。

 参加しているのは今井さん、妻英利子さん(41)と長女明愛(めい)さん(16)、長男明絆(はるき)さん(14)、次男明陽(ひなた)さん(12)。一家での参加は8年目。

 一斉摺りでは太夫3人のうち、今井さんと明絆さんが“親子共演”。「いつか息子と一緒に烏帽子(えぼし)がかぶれたら…」と頭の片隅で考えていた今井さん。本番間近になって初の大舞台での共演が決まり、念願の日が訪れた。太夫の藤九郎を務める息子の姿を見て「うまくなったな」としみじみ。「来年は次男も入れた3人でやれたらいいね」とほほ笑んだ。

 昨年、太夫としてデビューした明絆さん。「ミスしても父がいる。安心して大きな動きができる」。普段の練習後も自宅で父から助言を受けて研さんを積んできた。沿道から集まる視線に緊張が高まったが、堂々と力強い摺りを披露。「自分としては100点」とはにかんだ。

 
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