Free本番控え練習に熱 八戸えんぶり17日開幕

祝福芸の練習に熱が入る石堂えんぶり組の子どもたち=10日夜、八戸市石堂2丁目の石堂生活館
八戸地域の郷土芸能で国重要無形民俗文化財の「八戸えんぶり」(17~20日)は10日、開幕まで1週間を迎えた。各えんぶり組は本番を控えて練習に熱を入れ、晴れ舞台に向けて気持ちを高めている。
八戸市の石堂えんぶり組が拠点とする石堂生活館。練習場の一隅には、歴代の太夫烏帽子(えぼし)12頭(かしら)が並び、お神酒がささげられている。
この日は田名部剛さん(63)が孫3きょうだいの叶夢(とあ)さん(11)=市立城北小5年=、翔夢(つばさ)さん(8)=同2年=、七夢(ななみ)さん(7)=同1年=を連れて練習に参加。開始30分以上前から生活館に集まり、祝福芸のおさらいに励んだ。
家族の勇姿を見てきた3人は松の舞、苗取りなどの段取りは既にお手の物。今年、えびす舞の一人に選ばれた翔夢さんは「タイの餌(あめ玉)をきれいにばらまけるようにならなきゃ」と意気込む。
大黒舞を演じる叶夢さんは太鼓、手平鉦(がね)も見よう見まねで習得した。「コロナ禍で中止になった頃を思うと、みんなで集まれること自体がうれしい。口上のせりふ通り、笑顔を観客に届けたい」とほほ笑む。
日が暮れて子ども、大人のメンバー約40人が同館に集まると、お囃子(はやし)や口上の音量は増し、各自振り付けや拍子の調整に余念がなかった。親方の中村昭吉さん(69)は「子どもたちの成長は目を見張るものがある。大人も負けていられないね」と目を細めていた。