Free市民ら1300人に読書の魅力呼びかけ 池上彰さん、八戸で講演

読書の魅力や重要性について語る池上彰さん=9日、八戸市
ジャーナリスト池上彰さんの講演会が9日、「SG GROUP ホールはちのへ(八戸市公会堂)」で開かれた。池上さんは「本の力」をテーマに、訪れた市民ら約1300人に向けて、読書の重要性や楽しさを呼びかけた。
市立図書館150周年、市公会堂50周年、八戸ブックセンター8周年を記念した「本のまち八戸」魅力創出イベント「読書のとびら」の一環。八戸市読書会(14団体)と市が主催した。
池上さんは長野県生まれの東京育ち。NHKに入局後、2005年に独立。フリージャーナリストとして多方面で活躍する傍ら、五つの大学で教壇に立っている。
池上さんは、現在に至るまでの読書遍歴や向き合い方を紹介。「本はただ読むだけじゃいけない。自分で内容について考え、さらに理解するための力も付けなきゃいけない」と強調した。指導する学生らと読書会を開催しており「同じ本を読んでも、読む人によって感想は違う。そこに耳を傾けることで世界が少し違って見えるようになる」と力を込めた。
若者の読書離れにも触れ、子どもに本を読ませるには「強制させるのではなく、まずは大人が楽しそうに本を読む姿を見せることが大事」と説明。「本について語り合う場も設けることで、自分自身の成長にもつながるはずだ」と述べた。
トーク後、地元高校生からの質問コーナーでは、影響を受けた本を紹介したほか、地方と首都圏との教育格差に関して持論を展開した。
会場では、市立図書館で除籍された本・雑誌などを来場者に無料提供する「リサイクルフェア」を開催。読書団体による絵本の読み聞かせも行われ、多くの家族連れらでにぎわった。