Free市街地出没なら全庁対応 八戸市がクマ対策連絡会議

市街地にクマが出没した際の対応を確認した八戸市クマ対策連絡会議の初会合=6日、市庁
市街地にクマが出没した際の対応を確認した八戸市クマ対策連絡会議の初会合=6日、市庁

八戸市の市街地でクマの出没が相次いだ事態を受け、市は6日、全部局で構成するクマ対策連絡会議を設置した。市街地にクマが現れた場合、初動から全庁で連携して対応に当たるよう体制を強化。市民への広報活動や現地の警戒に必要な車両、人員を確保できるよう準備を整える。

 クマは1月31日、2月1日に日計地区周辺、2日に市川町地区で確認され、住宅密集地も歩き回った。3日は尻内町地区でも目撃された。

 市は災害情報などを扱う「ほっとスルメール」や交流サイト(SNS)、防災無線、テレビのデータ放送を活用した広報で目撃情報を発信。31日と翌日は広報車が目撃場所付近を巡回して注意を呼びかけた。

 ただ、今回はクマの出没が休庁日の土、日曜を挟んでおり、部局間の連携が難しかった。主に対応を担当する農林畜産課の負担が大きくなり、市の即応態勢に課題を残した。

 防災無線がないエリアも含まれており、市民からも情報提供の充実を求める声が上がっていた。

 6日、市庁で開かれた初会合で、各部局から対応の報告を受けた熊谷雄一市長は「前例のない冬期間における市街地へのクマ出没で市民に不安が広がっている。今後、市街地でクマが出た際の対応は全庁体制で行う」と指示した。

 対策として、広報活動を担う拡声器付きの車両と対応職員を従来より多く確保できるようにするほか、情報収集を兼ねて現地のパトロール体制を強化する方針を示した。

 市農林水産部の松田大平部長は会合後の取材に「これまでより幅広い部局で迅速に対応できるよう、早急に具体的な体制を整える」と強調した。今回出没したクマは広い範囲を移動していたとみられる。市民に向けて「まだしばらくは注意してもらいたい。見かけた場合は興奮させないよう静かに見守り、その場を離れて」と呼びかけた。

 
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