Free歴史生かした取り組み発表 二戸で「令和・南部藩」領主サミット
![サミットを終えて記念撮影する南部利文さん(前列中央)と構成自治体の首長ら。交流40周年を迎え、連携の継続を誓った](https://image.daily-tohoku.news/nepcell/jisya/img/PCNTS2025012802819_MediaImage.jpg)
南部氏ゆかりの岩手、青森、山梨3県の10市町で構成する「令和・南部藩」の交流イベント「南部領主サミット」が1月28日、二戸市民文化会館で開かれた。交流事業開始から40周年を迎えたのを記念し、南部家46代当主の南部利文さん(54)をゲストに迎え、各自治体が歴史を生かしたまちづくりの取り組みを発表した。
自治体の交流は1984年度に始まり、「平成・南部藩」、「令和・南部藩」と名称を変えながら継続。首長が一堂に会しての事例発表や視察に加え、史跡訪問などを通じた住民交流の事業を、開催自治体の持ち回りで毎年展開してきた。
この日は同市を中心に住民や地域団体、行政関係者ら約150人が来場した。事例発表で、南部町は町役場南部支所を改修する施設に国史跡の聖寿寺館(しょうじゅじたて)跡の出土品などを展示し、戦時中に同町へ疎開した黒柳徹子さんに関する展示室も設けると説明。「2年後にオープン予定で、多くの来場をお願いする」とPRした。
岩手県遠野市は、昨年の遠野春まつりの「南部氏遠野入部行列」に、八戸特派大使で歌手の吉岡リサさんを招いたことを紹介。市民が協力して再現する行列に、八戸の新田城まつりの関係者も例年加わり、交流を深めていると強調した。
山梨県身延町は、日蓮宗総本山の身延山久遠寺について、南部実長に関連する建造物や伝統行事を説明。開催市の二戸市は、国史跡九戸城跡の石沢館(いしざわだて)の発掘調査で文献にない石垣が見つかり、昨年の日本城郭協会の「お城の10大ニュース」に選ばれたと報告した。
当主の“評定”として、南部利文さんが発表事例への感想を述べ、「令和南部藩のえにしを温めつつ、未来に向けて活動を続けてほしい」と呼びかけた。
サミットに先立ち、構成自治体の首長会議を開き、今後は2年に1回のペースで首長が集まり、南部氏に関する歴史などをテーマに情報交換することを申し合わせた。藤原淳二戸市長は取材に「住民に公開し、連携した取り組みを発信することが大事だ」と述べた。