Free「賃上げを」25年春闘スタート 連合青森、県経営者協会に要求

七尾嘉信会長(左)に賃上げなどを要求する塩谷進会長=30日、青森市
連合青森(塩谷進会長)は30日、青森県経営者協会(七尾嘉信会長)に対して過去最高となる月額1万5千円以上(増加率6・0%以上)の賃上げを要求し、県内で2025年春闘が事実上スタートした。長期化する物価高や人件費の高騰、人手不足が企業の収益環境の悪化に拍車をかけており、23年から続く賃上げの動きが継続するかが焦点となる。
連合青森によると、24年春闘は物価高や人材不足を背景に、妥結加重平均額は1万324円(前年比1837円増)で、03年の統計開始以降、最高を記録。平均賃上げ率も4・04%(0・14ポイント減)と、過去2番目に高かった。
一方、企業では物価高に伴う価格転嫁が進まず、労務費の原資確保に苦慮しているのが実情。全国的な潮流から、賃上げに取り組む企業は多いが、労働者を引き留めるための「防衛的賃上げ」を余儀なくされている。
同日、塩谷会長が青森市の同協会を訪れ、七尾会長に文書で労使交渉を申し入れた。要求額の内訳は、定期昇給相当分3750円(増加率1・5%程度)、ベア分8750円(3・5%程度)、格差是正分2500円以上(1・0%以上)。賃上げのほか、▽雇用形態間の格差是正▽男女間の賃金格差と生活関連手当支給基準の是正―など計4項目を要求した。
塩谷会長は取材に「本春闘では賃上げの定着や裾野を広げられるかがポイント。労務費の適正な価格転嫁を進めなければならない」と強調した。
一方、七尾会長は「さまざまなコストが上がっている中、人件費も一緒に上げられる体力が中小企業にあるかと言えば厳しい状況」との認識を示し、賃金を適正に配分できるよう方策を考えるとした。
同協会は2月27日の理事会で方針を協議。3月11日の労使交渉懇談会で回答する。