Free新品種名は「白銀のひかり」 岩手県産米、県北向けに開発 本格作付けへ

岩手県は24日、県が県北地方向けに開発した主食用米の新品種「岩手141号」の名称を、「白銀(はくぎん)のひかり」に決めた、と発表した。耐冷性が強く、やや多収で、食味の良いわせ品種。「金色の風」「銀河のしずく」に続く新たな県産ブランド米として、今年本格的に生産・販売を開始する。県は来月中に、作付けを希望する生産者を対象に、栽培管理に関する研修会を開き、デビューに備える。
「白銀のひかり」は、2014年に「銀河のしずく」を母、旧藤坂稲作部(十和田市)が育成した「ふ系243号」を父とする。24年2月、奨励品種に採用が決まった。
県北部で主流とされる奨励品種「いわてっこ」と比べると、耐冷性の強さは同等。稲が倒れにくくて育てやすく、米の粒が大きくて多収が見込める。また、食味が良く、炊き上がりの粒の白さも際立つという。
名称は、「銀河のしずく」譲りの粒の白さを「白銀」で表すとともに、岩手の稲作を照らす希望の「ひかり」になってほしいとの思いが込められている。生産者らから案を募り、県と関係機関で構成する選考委員会で決定。「金色の風」「銀河のしずく」と同じく、色と自然の組み合わせで表現されている。
栽培適地は、久慈地域や二戸地域、八幡平市、宮古市など15市町村。盛岡市や沿岸南部など14市町のうち標高240メートル以上の地域も適地とする。
県は24年、モデルほ場で試験栽培を実施するなどして、生産者らの関心を高めてきた。「いわてっこ」に替えて作付けを拡大させる方針で、28年には作付面積を1500ヘクタールまで広げることを目標に掲げる。
達増拓也知事は24日、県庁で開いた定例会見で「ふっくら、色白で粒も大きく、食べ応えがある。味も大変おいしく自信作だ」と新品種をPRした。
県北部については、地形や環境に合った技術を用い、良い米を生産してきた実績もある―と強調。「『金色の風』『銀河のしずく』のような良食味が望まれていたところに、ようやく新品種を出すことができた。生産者には、過去の実績以上を目指して生産に励んでほしい」と期待を込めた。