Free全方向に「止まれ」標識設置へ 六戸7人死傷事故の交差点/十和田署
9月に7人が死傷する事故が発生した六戸町の「旧柳沢駅交差点」で、十和田署は来年3月までに、交差点の南北方向にある「止まれ」標識を東西方向にも設置し、4方向全てに一時停止を義務付ける方針だ。事故防止のため信号機設置を求めている町も、抜本的対策として道路形状の改良を検討。「危険な交差点」から事故をなくすべく、警察と町が対策に本腰を入れる。
同交差点では2022年に5件、23年は3件、24年には死傷事故を含め7件の人身事故が発生。事故のほとんどはドライバーの一時不停止による出合い頭で発生している。
交差点は、県道三沢十和田線だった東西を走る町道と、町役場から金矢工業団地方面へ向かう町道が交わる。交通量は22年の上北道全通の影響もあり、近くの六戸三沢インターチェンジ(IC)や町中心部へ向かう南北の町道側が増加の一途をたどっており、優先道路の旧県道より多い状況が続く。
南北の町道を車が時速50キロで通過すれば、交差点内の段差で車体が跳ね上がる―。11月、同署に信号機設置を求める要望書を提出した町に、署側は「保留」とすると回答。理由の一つとして、交差点内に段差があり、道路形状が信号機設置に適さないことを挙げた。
交差点北側には、12年に廃線となった十和田観光電鉄線の踏切があったほか、稲生川をまたぐ橋の段差があり、踏切は撤去されたものの交差点内の段差解消には至っていない。
署側は当面の対策として、交差点内4方向全ての一時停止義務付けを決定。12月に入ってから、交差点の500メートル手前から100メートルごとに看板を設置するなど、本格運用を前に、ドライバーに対する注意喚起を始めている。
同署は「ドライバーに一時停止をしっかり意識してもらい、事故防止につなげたい」と意義を強調する。
一方、町側は信号機設置の条件を整えるべく、道路形状の改良を検討する。佐藤陽大町長は取材に、全方向への一時停止義務付けが、かえって混乱を招く恐れがある―と懸念を示した上で、「財源を含め、なるべく早く計画を示したい」と語った。