Free最難関の1級染色技能士取得 クリーニングイルカ(八戸)会長の平山さん

1級染色技能士の国家資格を取得した平山秀司さん
1級染色技能士の国家資格を取得した平山秀司さん

八戸市でクリーニング店を展開する「クリーニングイルカ」会長の平山秀司さん(78)が、染色(染色補正作業)の1級技能検定に見事合格し、「1級染色技能士」の国家資格を取得した。同社によると、最難関である1級の取得者は市内唯一で、青森県内でも現在4人のみという。平山さんは「会社の皆さんや業界の仲間、友人が喜んでくれてうれしい」と話している。

 染色技能士は、繊維製品の染色や染み抜きのほか、生地に付着した汚れなどの修復、復元に必要な染色補正などの技能を有する技術者。技能検定では実技と学科の試験が行われる。

 平山さんは2019年、初挑戦ながら2級染色技能士に合格。その2年後に、狭き門とされる1級にチャレンジしたが、合格を果たすことはできなかった。

 それでも決して諦めず、業界団体の仲間たちと一緒に染色補正などの勉強に励み、市内の同社工場で夜遅くまで練習を重ねた。

 「これが最後の挑戦」という決意で今年8月に2度目の試験を受け、10月に合格が判明。「1級を取得した人の中でも最高齢に近いのでは。これまで少しずつでも積み重ねてきた成果だと思う」と振り返る。12月に合格証書が届き、改めて大きな喜びを感じている。

 今後の目標は、全国の1級取得者で競い合う技能グランプリに青森県代表として出場することだ。クリーニング業にも自身の技術を生かしたい―とし、「大切な衣類の染みなど、何か困り事があれば相談に来てもらいたい」と呼びかける。

 技能伝承や後進の指導にも努める考えで、「業界のレベルが上がる一助になれば。自分もやってみたいという人がいれば、一緒に勉強したい」と語った。

 
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