Free遊び心と地元愛あふれ 北奥羽地方の歴史・文化グッズ紹介

北奥羽地方の博物館や企業が販売している、歴史や化、伝統にちなんだグッズ。それぞれにこだわりが感じられる

ポストカード、クリアファイル、ストラップ、少し値の張る図録…。文化施設で売られているお土産や記念品といえば、少し前まではこうしたものが一般的だった。しかし現在、歴史や文化、伝統にちなんだグッズは多種多様化。自治体や企業などの創意工夫で、遊び心と地元愛あふれるものが生み出されている。

 青森県南、岩手県北地方でも、毎年のように新商品が登場し、各施設の所蔵品をモチーフにしたり、地域の特徴を生かしたりしたグッズが度々話題を呼んでいる。

 最近では、2021年に「北海道・北東北の縄文遺跡群」がユネスコ世界文化遺産に登録されたこともあり、縄文関連の商品が豊富。八戸市の国宝「合掌土偶」をはじめとする土偶グッズは、特徴ある造形を生かしたデザインが魅力的で、古代ロマンと作り手の縄文愛を感じさせてくれる。

 地域の伝承を活用した個性あふれるグッズも見逃せない。有名な妖怪の一種で、北奥羽地方にも多くの伝説があるカッパや、全国区の知名度を誇る新郷村のキリストなどもその一つ。まさかのグッズ化に驚かされもするが、制作された経緯やコンセプトを知ると、その面白さにハマること間違いなしだ。

 日常生活に取り入れられるものも少なくなく、専門家や歴史ファンでなくとも欲しくなるグッズが盛りだくさん。グッズをきっかけに現地に足を運び、地域の歴史や伝統に思いをはせてみてはいかがだろう。

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 公共施設などが販売する歴史・文化グッズ。最近は種類もデザインも多彩で、定番品はもちろん、インテリアやファッション、グルメに至るまで、さまざまな場面で楽しめる新商品が登場し、注目を集めている。

 自分用にも、お土産やプレゼント用にもピッタリな、北奥羽地方のご当地グッズを紹介する。


【合掌土偶のアクリルスタンド/是川縄文館】

 八戸が誇る国宝・合掌土偶が、手のひらサイズのオリジナルアクリルスタンドに! 1997年に風張1遺跡から出土した合掌土偶。座った姿勢で体の正面で手を合わせるポーズが特徴的な、縄文時代後期の土偶だ。

 アクリルスタンドは、高さ約6センチ、台座の幅約4・5センチで、置き場所を選ばない。いろんな風景を背景にして写真を撮るのもお勧め。重要文化財の頬杖(ほおづえ)土偶アクリルスタンドと合わせると、より縄文の雰囲気を感じられる。

 各700円。


【どぐうパスタ 金入(八戸市)】

 八戸市の合掌土偶、青森市の板状土偶、つがる市の遮光器土偶がモチーフになったかわいいパスタが昨年発売された。青森県産ゴボウのパウダーが練り込まれており、ゴボウの香りがほのかに香る。ソースと合わせるほか、スープやサラダのトッピングにも。色味も土偶にそっくりで、食事が楽しくなる。

 1~5日には、八戸市のカネイリ番町店喫茶で、青森どぐうパスタが乗ったランチを提供予定。お試しで食べてみたい人は足を運んでみては。

 100グラム、648円。


【河童をあしらったトートバッグ/もりおか歴史文化館】

 数あるグッズの中でもインパクト抜群。河童(かっぱ)をモチーフにしたトートバッグは、見た人の心を捉えて放さない一品だ。

 デザインは2種類。肩からバッグを提げると、腕に河童がしがみついているように見える「抱きつきバージョン」と、網に河童の群れがかかった様子を表現した「大漁バージョン」。同館収蔵の絵巻「水虎之図(すいこのず)」に描かれた河童を、オリジナルの生地に大胆にあしらっている。

 同絵巻の旧蔵者は盛岡南部家。絵巻には、河童の生態や、遭遇時の対処法なども記されているという。

 各3500円。


【第1回キリスト祭の手拭い復刻版/キリストの里伝承館(新郷村)】

 ゴルゴダの丘で処刑されたはずのキリストはひそかに日本に渡り、新郷村で106歳の天寿を全うした―。村に伝わるキリスト伝説にちなみ、1964年6月に第1回キリスト祭が開かれた。

 手拭いは当時の出席者に配られた物の「復刻版」。キリストの墓とされる「十来塚」と、キリストの弟イスキリの墓とされる「十代墓」の絵に、当時の村周辺の鉄道路線図などが添えられている。キリスト祭は昨年60回目を迎え、村内外から多くの人が訪れる一大イベントとなっている。

 1000円。


【メドツ看板がマグネットに/八戸市博物館】

 「きけんだ! よるな近づくな メドツが出るぞ」

 1976年に田向地区の用水路付近に設置された、有名看板のフレーズだ。一定年齢以上の八戸市民であれば、高確率で知っていることだろう。

 メドツとはカッパのこと。看板は2015年に撤去されたが、40年近くにわたって子どもを怖がらせ、水場接近を抑止して水難事故防止に一役買ってきた。

 その看板が、マグネットステッカーに生まれ変わった。テレビで紹介されることもあり、“第二の人生”でも多くの人から注目され、愛され続けている。

 300円。


【手仕事のデザインペーパー/八戸市博物館】

 八戸地域で受け継がれてきた三つの手仕事、裂き織り、菱(ひし)刺し、イタヤ細工。それらの布地や木肌が印刷された折り紙サイズのデザインペーパーは、手仕事の素朴な魅力を伝えている。

 その一方で、デザインペーパーはモダンな雰囲気もまとう。長い時間の中でそれぞれの手仕事のデザイン性が高まり、洗練されていった結果だろうか。

 これは折り紙として使うだけでは、もったいない。コラージュの素材として切り貼りしたり、箸袋やポチ袋を作ったりしてもいい。さまざまアイデアが湧く。

 3種(各5枚)入り、200円。


【オリジナルの縄文スタンプ/御所野縄文博物館(一戸町)】

 2022年にリニューアルした御所野縄文博物館(一戸町)のミュージアムショップ。縄文文化や町の魅力を伝えるグッズをそろえる。

 中でも人気を集めているのが「オリジナル縄文スタンプ」。リニューアルをきっかけに商品化された。縄文人や動物の姿が、かわいらしくデザインされている。

 買い物をした際に紙袋に好きなスタンプを押して、オリジナルの袋に仕上げることもでき、子どもたちを中心に幅広い年代の来館者が楽しんでいる。

 全11種類、330~550円。

 
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