Free教育版画に込められた思いは 八戸市美が田面木小で出張授業

学芸員の類家舜さん(左奥)と対話しながら、作品を鑑賞する児童
学芸員の類家舜さん(左奥)と対話しながら、作品を鑑賞する児童

子どもたちに教育版画の世界に触れてもらおうと、八戸市美術館は18日、市立田面木小(松本清和校長)で出張授業を行った。5年生32人が、同館学芸員の類家舜さん(32)と田村由衣さん(33)による作品解説を通じて学びを深めた。

 授業は、同館で開かれている企画展「風のなかを飛ぶ種子 青森の教育版画」の開催期間に合わせて、今年初めて実施。市内の小中高校が対象で、同小が4校目。

 前半は、児童が類家さんと対話しながら、展示作品である「星空をペガサスと牛が飛んでいく」を鑑賞。類家さんの「作品を見て気付いたことは?」との問いに対し、児童は「牛やペガサスが描かれているので、星座が作品のテーマではないか」などと思い思いの回答をしていた。

 後半は田村さんが、海難事故で家族を亡くした女性の悲しみを表現した「あとに残された者」と、洋上を飛行するウミネコを描いた「飛ぶ」の見どころを解説。子どもたちは作者の心情に思いをはせながら、作品に見入っていた。

 藤井桃叶(ももか)さん(11)は、「どの作品も細部まで作り込まれていて驚いた。企画展にも足を運び、他の作品も見てみたい」と興味津々だった。

 
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