Free【みちのく生き物観察記】ユリカモメ

ウミネコよりひと回り小さく、くちばしと脚が赤いユリカモメ=12月、八戸市鮫町
ウミネコよりひと回り小さく、くちばしと脚が赤いユリカモメ=12月、八戸市鮫町

八戸港の海鳥の中でウミネコほど数が多くはないが、探せばほぼ見つかるユリカモメ。主に冬鳥として全国に飛来するが、一部は夏も滞在する。ウミネコよりひと回り小さく、白い体にくちばしと脚が赤い。背は灰色で冬場は目の後方に黒斑があり、かわいいカモメだ。海岸や河口に多いが、河川をさかのぼり内陸の湖沼などにも飛来するという。

 そして、日本の古典文学に登場する都鳥は実はユリカモメのことだという。伊勢物語の九段、東下りに登場し、「すみだ河…白き鳥の、はしとあしと赤き…これなむ都鳥」とある。このせいかユリカモメは俗称を都鳥といい、東京都の鳥にも選ばれている。

 しかし本来のミヤコドリはチドリに近い別種で頭や体が黒い。ユリカモメも夏羽は頭部が黒褐色になるので混同したようだ。

 
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