Free【みちのく生き物観察記】シャモ
キジ科の鳥。ニワトリの一品種で、軍鶏と書いてシャモ。江戸時代にシャム国(現在のタイ)から輸入したのが名の由来だという。以前は闘鶏用に盛んに育てられ、負けた雄が軍鶏鍋にされたが、食味もいいので観賞用、食肉用と重宝された。家禽(かきん)として品種改良が行われ、1941年には「日本に特有な畜養動物」として国の天然記念物になっている(飼育や食肉は合法)。
軍鶏の主な飼育地は茨城、東京、千葉など関東圏。東北では青森や秋田が多い。ニワトリと交配して地鶏として改良され、青森シャモロックをはじめ各地の地鶏の銘柄品種となっている。
今回は八戸市南郷の山里で放し飼いのシャモを見かけた。がっしりとした大きな体、太い脚と鋭い蹴爪(けづめ)を持ち、悠々と道端の草を食(は)む姿は野生種でないにもかかわらずなかなかの迫力。さすが闘鶏の血筋と納得する。