Free軽米町民劇、12月8日本番へ稽古に熱 公演前日、総練習を無料公開

町民劇の本公演に向け、仕上げの練習に熱を入れるキャスト
町民劇の本公演に向け、仕上げの練習に熱を入れるキャスト

約20年ぶりの公演となる軽米町民劇「一月のほたる」が12月8日、かるまい文化交流センター(宇漢米=うかめ=館)で行われる。江戸後期に岩手県北地方で起きた稗三合一揆をテーマにした作品。キャスト、スタッフら総勢100人以上が参加予定で、見どころいっぱいの群像劇に仕上げる。町民らは舞台の成功を目指し、仕上げの練習に熱を入れている。

 町民劇は町文化協会の主催で、同館の本格的なオープンイヤーとなる本年度の目玉行事に位置付けられる。町内を中心に二戸圏域の住民らが出演し、二戸市民文士劇などの演技経験者も加わる。

 同協会所属の19文化団体が協力。太鼓や琴、舞踊、コーラス、郷土芸能など多彩なパフォーマンスを劇中に織り込む予定だ。

 町の演劇衆団「伝楽坐」の大清水文子代表が、約20年前に初上演した同作の脚本を手直しし、演出も担当。凶作の中で強制的に食糧を取り立てる八戸藩の圧政に、農民が結束して立ち向かう姿を描く。

 出演者は7月末から週2回、同館などに集まって稽古を重ね、大清水さんの指導の下で発声や演技に磨きをかけてきた。エキストラの子どもを含め、幅広い世代が多数登場するシーンもあり、練習を繰り返して全体の動きを合わせている。

 主役の彦太郎(軽米右近)を演じるのは町職員の福田丈幸さん(29)。演技は初経験だが、広い会場でも通る大きな声と、観客に伝わるような感情表現を意識して稽古に励んでいる。「一揆を起こす前に思い悩む様子や、農民をまとめて力強く立ち上がる姿を一生懸命演じたい」と意気込む。

 舞台監督を務める同町の建設業山野下誠さん(47)は、「昨年完成した宇漢米館のステージで、音響や照明など新しい設備を使い、徐々に仕上げている。町民の力を結集し、迫力ある舞台にしたい」と強調する。

 8日は午後0時半開場、同1時開演で、全席指定のチケットは既に完売した。公演前日の7日午後1時から、総練習を無料公開する。自由席で、入場整理券を同館で配布している。

 問い合わせは軽米町教委生涯学習担当=電話0195(46)4744=へ。

 
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