Free【みちのく生き物観察記】ミノムシ

八戸市南郷の青葉湖畔の小屋の壁にぶら下がるミノムシ=10月
八戸市南郷の青葉湖畔の小屋の壁にぶら下がるミノムシ=10月

以前はよく見かけたミノムシだが、最近はめったに見かけない。実は外来のヤドリバエに寄生され絶滅危惧種並みに激減しているという。ミノムシの正体はミノガ科のガの幼虫。吐き出した糸で葉や枝などを固め、みののような巣をつくる。ミノガ科は日本では20種類以上知られ、多いのはオオミノガやチャミノガだというが、写真のミノムシはガの種類までは特定できない。

 ミノムシは春になると、みのの中でさなぎになり羽化する。ただし成虫になり飛び回るのはオスだけで、メスはみのの中で産卵をして、みのから出ることはないという。みのの中でかえった幼虫は糸を吐き、垂れ下がり、風に乗って新天地を目指す。「枕草子」にミノムシは鬼の子としてチチヨチチヨと鳴くと書かれていて、芭蕉も秋の季語として詠んでいるが、実際のところガの幼虫なのでもちろん鳴かない。

 
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