アーチェリー男子で五輪に６大会連続で出場した青森市出身の古川高晴選手（４０）＝青森東高出、近大職＝が２１日、今月下旬に行われる全日本選手権を最後に現役を引退すると表明した。大阪府東大阪市の同大で会見に臨み、「挙げたらきりがないほど多くの人に支えられ、ここまで来られたのは本当に幸せ」と競技生活を振り返った。

古川選手は２００４年アテネ大会で五輪初出場。以降、１２年ロンドン大会では自身初の表彰台となる個人銀メダルを獲得、２１年東京大会は団体と個人で銅メダルに輝いた。初の頂点を期した今夏のパリ大会は、個人は１回戦、団体は準々決勝で敗れていた。

主な引退理由に、国際大会での自身の成績が低迷しつつあった点と指導者への転身希望を挙げ、「私が代表の座にいるよりも若い選手にたくさん経験を積んでもらい、強くなってもらいたい」と強調。昨夏ごろに決断していたといい、「（力が衰える）最後まで諦めずにやるのも美学かもしれないが、力を残した状態のうちに引退するのも良いのではと考えた」と語った。

　引退後は近大のコーチとして本格的に指導者の道を歩む。「選手時代以上の努力をし、私がかなえることのできなかった目標（五輪での金メダル）を達成できる選手をいつか育成したい」と今後の目標を掲げた。