Free中川名人(八戸)防衛4連覇 北奥羽将棋名人戦3番勝負

小林憲治五段(手前)を破り、防衛4連覇を果たした中川滉生名人=13日、八戸市
小林憲治五段(手前)を破り、防衛4連覇を果たした中川滉生名人=13日、八戸市

第50期北奥羽将棋名人戦(デーリー東北新聞社主催)の決勝3番勝負が13日、八戸市の更上閣で行われ、中川滉生名人(30)=同市、五段=が挑戦者の小林憲治五段(31)=同市=を2勝1敗で退け、名人位を防衛した。中川五段の名人在位は4期連続、通算7期目。

 前期と同一対戦カードとなった3番勝負は、持ち時間40分で行われた。第1局は、小林五段が後手番ながら積極的に仕掛け、中盤の優勢からそのまま押し切った。先後入れ替えての第2局は、居飛車穴熊を組んだ小林五段に対し、一瞬の隙を突いた中川名人の攻めが奏功して、勝敗を五分に戻した。第3局までもつれたのは2016年の第42期以来8期ぶり。

 最終局は振り駒で小林五段の先手。第2局と似たような局面となりつつ、形勢が何度も入れ替わる息詰まる展開が繰り広げられたが、126手で中川名人が競り勝った。

 タイトル防衛に成功した中川名人は「1局目は出来が悪くて苦しかったが、深く考えずに開き直って(2局目以降を)指せたのが良かった」と振り返り、勝因を「指運が良かった」と苦笑い。「(通算在位を)2桁に乗せられるよう頑張りたい」と気を引き締め直した。

 小林五段は「作戦はうまくいっていただけに、終盤のミスが残念」と落胆の色を隠せず、「来期こそは名人位を取れるよう、再び挑戦権を取ることから頑張りたい」と雪辱を誓った。

 
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