Free国宝・合掌土偶生んだ「風張ムラ」紹介 八戸・是川縄文館で秋季企画展
八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館の秋季企画展「合掌土偶ができたころ」が5日、始まった。同市の風張1遺跡から出土した合掌土偶が国宝指定から15周年を迎えたことを記念し、同土偶が作られた縄文時代後期の「風張ムラ」の様子や出土品を紹介する内容。多彩な土器や遺跡の構造などから、縄文人の暮らしをうかがい知ることができる。11月24日まで。
合掌土偶は1989年に出土。全国唯一、ほぼ完全な形で見つかった合掌する座像で、学術的価値の高さなどから2009年に国宝に指定された。
作られた縄文時代後期は今からおよそ4千年~3千年前。会場には同遺跡で出土した土器が多数並ぶほか、当時の集落の様子を再現した模型や、合掌土偶が見つかった住居跡の原寸大平面図などを展示している。
学芸員の佐藤ちひろさんは「風張1遺跡にあった当時の集落は成熟し、安定した環境だった。展示を通じて合掌土偶が生み出された背景を知ってもらえたら」としている。
観覧料は一般250円、大学・高校生150円、中学生以下無料。時間は午前9時~午後5時(入館は同4時半まで)。
会期中は毎週土曜に学芸員によるギャラリートーク、26日に考古学講座を実施。13日に縄文しおり作り、11月10日に縄文プラ板ストラップ作りの体験イベントを行う。