Free生育順調、多収に期待 県水稲奨励品種「岩手141号」 久慈地域で見学会

「岩手141号」の生育状況を確かめる参加者=29日、野田村
「岩手141号」の生育状況を確かめる参加者=29日、野田村

岩手県が冷涼な県北地方向けに開発し、来年度の本格デビューを目指す主食用米の独自品種「岩手141号」について、県は29日、久慈市と野田村でモデルほ場の見学会を開いた。県久慈農業改良普及センター(同市)によると、久慈地域では8月初旬までに出穂し、生育はおおむね順調。生産者や農業関係者が、生育状況を確認したり、説明を聞いたりして関心を高めた。

 岩手141号は、岩手を代表するブランド米「銀河のしずく」を親に持つ早生(わせ)品種。今年2月、普及すべき優良な「奨励品種」に採用された。

 現在県北で主流とされる奨励品種で、耐冷性に優れ良質・良食味な「いわてっこ」と比較すると、耐冷性の強さは同等で、稲が倒れにくくて育てやすく、米の粒が大きく多収が見込めるのが特徴。食味はいわてっこ並みに良いとされる。

 同村野田第12地割のほ場の見学会には約10人が参加。普及センターや、県農業研究センター県北農業研究所(軽米町)の職員が、穂が色づいてきた141号を示しながら、特徴や生育状況、管理上の参考情報などを伝えた。参加者からは「暑さへの耐性はどうか」「追肥を行う必要性は」などの質問が挙がった。

 いわてっこを栽培しているという同村野田第36地割、新山文雄さん(68)は、141号に興味があり参加。「いわてっこよりも粒が大きそうだ。良い印象を受けた」と関心を寄せていた。

 このほ場では9月中旬に収穫期を迎える見通し。普及センターの勝部和則所長は「多くの農家に興味を持ってもらい、デビューの来年度には、一定程度の面積で作付けが行われるように期待する」と話した。

 モデルほ場の見学会は30日、洋野町や軽米町、九戸村でも実施する予定。

 
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