Free【みちのく生き物観察記】ミヤマカラスアゲハ

水の浸みだした路面から吸水するミヤマカラスアゲハ=8月、鹿角市
水の浸みだした路面から吸水するミヤマカラスアゲハ=8月、鹿角市

前回、前々回と瑠璃色の昆虫を取り上げたが、極め付きはミヤマカラスアゲハの翅(はね)の輝きだ。アゲハ類の中でも黒いカラスアゲハの仲間は翅表(しひょう)が金属光沢の緑色だが、翅を半開きにしたとき青色に輝く。これはもともとの翅の色ではなく鱗粉(りんぷん)などの凹凸による構造色で翅の角度や光の当たり具合で輝きが変化する。

 翅を開いた大きさは10センチを超え、後翅(こうし)に尾状突起を持つ。またカラスアゲハとミヤマカラスアゲハは生息域が明確に分かれているわけではなく、山林の道路沿いでよく見かける。両種の見分けは前翅(ぜんし)裏の白帯の巾や後翅裏の白帯の有無で区別する。実際、写真右側はカラスアゲハのようだ。

 水分のある地面に複数個体集まって吸水することもあり、吸水中はそっと近づいても逃げないことが多く撮影には好都合だ。

 
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