Free虐待事実あれば刑事告発を 市民団体、市保健所に要望書 八戸・入院患者殺害
昨年3月、みちのく記念病院(八戸市)で発生した、入院中の身体拘束を動機とする殺人事件について、医療現場の不正行為の是正に取り組む市民団体「市民の人権擁護の会日本支部」(東京、小倉謙支部長)は1日、八戸市保健所に実態解明を求める要望書を提出した。前日は青森県に同様の要望書を提出したが、市保健所が病院への立ち入り検査を担っていることから、「内情を実地で調査し、虐待の事実があれば刑事告発を」と毅然(きぜん)とした対応を求めた。
同日、小倉支部長が市保健所を訪ね、北村政則副所長兼保健総務課長に所長宛ての要望書を手渡した。
内容は県への要望書と同様で、病院側の問題として▽事件被害者に必要な医療行為を怠った▽事件の通報を速やかに行わなかった▽死亡診断書の偽造▽不当な身体拘束の横行―などを指摘。虐待があった場合の刑事告発や無予告の実地指導、監視の目をくぐり抜けて事件が起きた理由の検証などを求めている。
小倉支部長は「特に違法な身体拘束の有無に注目している。患者の命と安全安心が第一であり、問題の実態をしっかりと調査してほしい」と強調。木村副所長は「まず(要望書の)内容を確認し、法律にのっとって適正に対応したい」と述べるにとどめた。